2011年6月19日日曜日

ニッポン放送「10回クイズ」

明石家さんまさんで思い出したことがあります。ニッポン放送出版発行、扶桑社発売の「10回クイズちがうね」という本。1988年1月発売。
この本が出る前に、さんまさんが「笑っていいとも」で「10回クイズゆうのが流行ってる」と話していたのですが、その翌週だかなんかに、もう本が出ていて驚いたのを番組でしゃべったのです。これで大ヒットが保証されました!

当時、ニッポン放送のスタッフはとてもノリがよくて、この本も宮本さん、部下の土屋夏彦さんたちと、面白いから番組で仕掛けよう、と話していたのです。
最初にあったのは、こんな問題だったと思います。

「ヒラヤマって10回言って」「ヒラヤマ、ヒラヤマ……ヒラヤマ」
「じゃあ、世界で一番高い山は?」「ヒマラヤ!」「ちがうね!」


冷静に考えればわかるのですが、同じ言葉を10回言ったあとで、その言葉と関連しているものが答えだと錯覚してしまう問題を出すのです。
世界で一番高い山は「エベレスト」に決まっています。でも、相手に「ヒラヤマ」つながりで、つい「ヒマラヤ」と間違った答えを言わせてしまうわけです。

鴻上尚史さんのオールナイトニッポンで取り上げたら、ワーッとはがきがきました。でも、数が足りません。
扶桑社の編集部員である白崎くん、磯くんと一緒に、創作しました。勢いだけで、作った本です。

本はタイミングが重要です。流行りそうだ、流行ってると感じたら、速攻で作って出版するのが、当時のニッポン放送スタイル。
代表的な10回クイズを思い出しながら、書いてみます。

「ピザって10回言って」「ピザ、ピザ……ピザ」「(腕を折り曲げて)じゃあここは?」
「ひざ!?」「ちがうね! ひじだよ」

「桃太郎と5回言って」「桃太郎……桃太郎」「金太郎と5回言って」「金太郎……金太郎」
「亀をいじめていたのは?」「浦島太郎」「ちがうね! こどもだよ」

「シャンデリアと10回言って」「シャンデリア……」「毒リンゴを食べて死んだのは?」
「シンデレラ!?」「ちがうね! 白雪姫」

「コーヒーと言ったらココア、ココアと言ったらコーヒーと言ってね」と前フリして、
「ピザって10回言って」「ピザ……」「(ひじを指差して)じゃあ、ここあ?」
「ひじ!」「ちがうね! ココアと言ったらコーヒーって言うんじゃん」

などなど、大特急で作った「10回クイズ」ですが、類似本がたくさん出ましたね。柳の下のどじょう狙いで。
いま、また小中学生のあいだで流行っているそうです。もういちど、何らかの形で「元祖!10回クイズ」を出したいですね。元祖ですから。

元祖と言えば、ずいぶん前ですが、やはりニッポン放送で「元祖!ナンチャッテおじさん」という本を出したことがあります。
鶴光さんとタモリさんがそれぞれオールナイトニッポンの土曜日と水曜日を担当していて、ふたりで「元祖争い」をしたのです。ディレクターは、宮本幸一さんと吉村達也さん。
軍配は鶴光さんに! だって、宮本さんと僕で「元祖!ナンチャッテおじさん」という本を作ってしまったからです。タモリさんが悔しがりましたね。

オールナイトニッポンの本を作っていた頃は、深夜の仕事なのに、いつもHAPPY DAYSでした。リスナーと一緒に作る本は面白い。
ビートたけしさんの放送では「ハガキ職人」まで出現しました。彼らは1週間かけて1枚のハガキに命をかけるわけですから、放送作家も敵いません。

もういちど、深夜放送から流行を作りましょう。テレビがつまらないのだから。
ゲームばかりしないで、メール職人に出てきてほしいものです。

ノアズブックス 編集長 Hideo. K

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